真剣で私に恋しなさい!S


体験版やってないのだが、聞くところによると戦闘シーンはテキスト主体から、アニメに丸投げした形となったらしい。
自分の不得手な部分を他で補うのは一つの手法だし、これはこれで悪くない。ただし、「ライターとしての成長、伸び代はもう無い」と事実上の宣言をしてしまったような
ものだ。物書きとしては潔いくらいの割腹ぶりで感心する。ここはライターからプロデューサーへと移行する氏の思惑が見てとれて面白い。
私がSに期待しているのは、タカヒロ氏の「歪み」がどの程度直っているかどうかだ。無印では、キャラの魅力をシナリオで損なってしまうという愚行が目立った。
パロディの詰め合わせに終始し、これまでタカヒロ作品が売りとしてきた「このファミリーの一員になりたい」と思わせるほどの魅力的な日常が致命的なまでに歪み、
崩れてしまっていた。
戦闘描写は、アニメに丸投げ。それはそれでいい。だが、肝心のテキストは投げることはできない。キャラの魅力を水増ししたシナリオで腐らせたり、日常の面白さが
激減していた無印のような体たらくが仮にSでも続くようならば、もはやライターとしてのタカヒロ氏は死んだと言っていいだろう。
 
WAGIさんの絵はアニメにしても映えるし素晴らしい。TGの頃から好きだったので、このように皆の目に触れる機会が多くなったのは嬉しい限りだ。