未来ノスタルジア(以後、ミラノ)

おそらくライターが積極的に意図した所ではないと思うんだけど、杏奈が愛すべきお馬鹿で面白い。
杏奈というキャラの視点で見れば、自分は「世界一の超能力者」で「ナイスバディの持ち主」、おまけに賢くて自分大好きっ子・・・らしいのだけど、やってる事が色々と
お馬鹿(不器用)でそのギャップが非常に面白い。日常会話の掛け合いや、詩やかなた独自のキャラ萌えは言ってみればテンプレで特出した所は無いものの、こと杏奈に関しては
従来のタイムトラベラーとは異なる存在感に驚かされた。あと、猫のクロが意外に面白い・・・不意打ちで『うそ〜ん』とか言われると吹いてまうやろ。
 
劇中でも台詞の中で言われている事だが、普通のタイムトラベラーというのは謎の部分を多く残し、カッコ良く登場して主人公のピンチを救ったり、
意味深な台詞と共にカッコ良く消えたり、ミステリアスな魅力に溢れているものである。その存在そのものに「惹き込み力」が備わっていると言っていい。
 
しかし、この杏奈はどうだ。「好きよ」の、最初の出会いこそベタで王道のタイムトラベラーという感じで惹き込まれたものの、それ以降は、およそ従来通りの
タイムトラベラーとは似て非なる「愛すべき馬鹿」キャラでプレイヤーである私を笑わせてくれる。本来ならば、このギャップこそ前面に押して魅せるべきだろう。
  
最初の出会いから時系列にして杏奈の行動を俯瞰して見ると、
 
①3月30日〜31日?(夜)未明・・・未来からタイムトラベル、陽一と出会う。
 
②3月31(昼)・・・時間旅行のチカラを使った反動で腹ペコ、陽一たちに接近し、昼飯をたかる。
 
③4月2日(朝)・・・春日から陽一を助ける。この間、ずっと陽一をストーキング。
 
④4月6日・・・双子の妹たちがやってくる。ストーキング中。
 
⑤4月7日・・・偶然か(?)、はたまた陽一の気を引くためなのか、若い身空で魚釣りをしている後姿を陽一らに発見される。聞けばホームレス生活をしてると言う。
       しかも発見されて恥ずかしかったのか、腹ペコのくせにカッコつけて瞬間移動で消える。
  
⑥4月8日・・・陽一をストーキング。意味深な台詞を伝えるためだけに突然現れる。また瞬間移動を使う。
  
⑦4月9日・・・腹ペコの所を陽一に捕獲される。かなた宅へ預けられる。
  
⑧4月12日・・・朝の仕込みをしつつ陽一をストーキング。瞬間移動って便利だねっ。
 
等々・・・
 
例えば上記②。来た日早々、昼飯をたかりにくるか普通!?。⑤なんかもうね、背景の中にポツンと「体育座りしながら魚釣ってる後姿」を是非描いてほしかったよ。
『何してるんだお前www』と笑えたのに。ミステリアスな美女にそんな生活感いりませんから!残念!。そう、・・・杏奈は、美人で超優秀なチカラの持ち主なのに、
残念な子なのです。良く言えば「不器用」な子。という事で、私の中では、この杏奈というヒロインは「一見すると賢そうで実はお馬鹿」という久しぶりに萌えキャラとして
ストライクゾーンに入ったのでありました。

しかし・・・そうなると私の中で杏奈は姉キャラとして見れないことになる。それはそれでアリだが
(まぁぶっちゃけ春日母より年上な私が姉だ何だと拘るのも変な話なんだけど)、魅力的な年上キャラが攻略対象外なのは萌えゲーだから仕方ないのか。「ショコラ」といい
萌えゲーマーに対しては保護欲を満たすほうが有効だと製作者は考えているのかねぇ・・。