サブキャラに無理矢理エロを追加させなかったのも好感が持てた。
あれで、藤ねぇとかにエロシーンがあったら神経を疑うところでした。
でも、そういう神経を疑うような無茶なエロシーン追加を平気でやっちゃうのが萌えゲー。

 
それにひきかえ、「Fate/hollow ataraxia」の出来の良さは素晴らしかった。
サブキャラを引き立てつつ、メインヒロインとの絡みも忘れず、ユーザー参加型というFDの新たな可能性を見せてくれた。


それらにサブキャラの救済なんて欠片も無いでしょう。
製作者が勝手に考えるプレイヤーの求めるであろうエロ、キャラ萌えのために、
せっかくの魅力的なサブキャラが食い散らかされてる。これが、これがFDか。ふざけんなと。


これこそ、Hつけりゃ満足なんだろ?という製作者の安易な思考が見え隠れする最低最悪の仕事ぶり。
キャラの自立性など完全無視、プレイヤーが求めているであろう、エロ一辺倒で押せばFDとして完璧だとでも勘違いしてるのか。

 
「もっと姉しよAS」の静先生は、FDと謳いながらも、
おまけルート(しかも夢オチ!)で乱交パーティという信じられない内容。意味が分かりません。いやマジで。


私が真剣恋という作品に致命的な欠陥があると指摘するのは、
キャラ自体の強い魅力で世界を形作ってきたくせに、そのキャラを雑に扱うという相反する矛盾にある。


おそらく真剣恋は、本編にサブキャラ攻略のFDも含めた完全版のつもりで出したと推測しています。
Sを続編としたのも頷ける。とすれば、あの梅子先生ルートのシナリオの劣悪さは一体どういう事なのかと。


最近で言えば、私が最も激怒したのは「真剣恋」の梅子先生の扱い、「もっと姉しよAS」の静先生の扱いですかね。
共にきゃでぃそふと、先生というのは全くの偶然ですが。


私はそういうのが本当に大嫌いだ。雑すぎる。キャラの作り込みも雑だし、キャラの扱いも雑。
そういう作品があるという事は、製作者の考えも、そういうものなのだ。


もっと言えば、ストーリーすらどうでもいいのだ。


主人公(プレイヤー)の都合でサブキャラを恋愛対象に組み入れるという事は、突き詰めれば、
プレイヤーがそのキャラに求めている「エロ」「キャラ萌え」を堪能できればそれでいい、ということ。
そこにはサブキャラの自立なんて石ころ程の価値も無いとされる。


そもそも「攻略」とは何なのか。Hがあれば攻略なのか。
それとも、その先に進んでキャラクターの人生の過程をエンディングで描いて始めて攻略なのか。
それが最近では、ぼやけてきているように感じられる。


話を戻して、本当のところは自立を「強いられた」非攻略ヒロインではあるものの、それはそれで一つの在り方である。
むしろ、そのほうが自然で魅力的。攻略待ちの列の中に組み込むのは、主人公側(プレイヤー)の都合である事のほうが多く、
必ずしも非攻略サブキャラにとって有益であるとは限らない。


最初から非攻略キャラとして自立することも許されず、
かといって本編で主人公と密接に絡むことも許されず、ただのボケ役に終始する可能性大というね。。。


これ相当に不運なキャラですよ。
不幸だというなら、本編で何の意味も持たない追加型の後追いヒロイン、こいつこそが最も不幸だと言えよう。


当たり障りのないキャラをFDで攻略可にしても、構造がおかしくなる事はないからだ。
いわゆる後追いヒロイン、という真に不遇なキャラが生まれる結果となる。


それを恐れてか、最近では『何でこいつが攻略対象じゃないんだ』というような、
どう見ても攻略ヒロインタイプなのに攻略ルートが用意されていないキャラが本編に存在するケースもある。


つまりFDで非攻略サブキャラを攻略可に組み入れるというのは、
それだけで元の作品の構造を部分的とはいえ破壊する自傷行為とも捉えることができる。


そういう自立したサブキャラは、何かしら欠陥を抱えた攻略ヒロインと比較して妙に魅力的で映える。
だから最近ではFDという形で、これまた無理矢理にサブキャラを攻略の列の中に組み入れるため、飛ばすのではなく「留保」する形となっている。


非攻略サブキャラに凛とした性格が多いのも頷ける。
自立させられる、の例としてはエピローグで海外へ留学したとか、県外の大学へ進学したとか、そういうふうに「飛ばされる」わけだ。


攻略ヒロインは、主人公と複雑に絡ませるため、ほとんど自立できてない。
それはヒロインが悪いというよりも、その世界自体が主人公という特異点に集約される不自然で歪なものだから、仕方ないっちゃ仕方ない。
一方、非攻略ヒロインは除外された存在なので、無理矢理にも自立させられる。


非攻略サブキャラというのは、構造的にその列から除外された存在。
では、そのサブキャラは不幸なのか?。構造的には主人公と結ばれる=ヒロインとして昇格=幸せ、という事になるかもしれない。
しかし見方を変えれば、除外されたままのほうが良いという事もなきにしもあらずだと思う。


ヒロインの幸せ=主人公と結ばれる事=攻略。ヒロインは主人公と結ばれなければ、他の男性キャラと結婚することもできない。
ヒロインは、順番待ちで列を作って待ってる状態。


基本、萌えゲーというのは主人公(ひいてはプレイヤー)の救済を主眼としている。
プレイヤーがほっこり幸福感を持てるように構造上そうなってる。
主人公(プレイヤー)の幸せのために他を冷徹に斬り捨てることも当然に行われる。